《回想》初めての低血糖昏睡

発病後数年は、低血糖になった時は
冷や汗が出たり
集中力がなくなったり
気分が悪くなるなど
低血糖だということをすぐに感知していました。

夜中でも、寝苦しくなるから分かるんだ
と言っていました
血糖値30だとか、40のぎょっとするような数値が出ても
何ともないこともあり
「僕は、低血糖に強いのかなあ」なんてのんきなことを言っていました。

しかしそれは大きな間違いだったことに気が付いたのは
発症から5年を過ぎたころでした。

その日
深夜3時ごろでしたか
ただならぬ気配に飛び起きた私は(どうただならなかったかは、後日判明)
隣室に寝ている夫の様子を見にいきました。
その頃夫は、ベッドだと腰が痛いと言って
隣の部屋に布団を敷いて寝ていました。

「どうかした?」
呼びかけても返事がありません。

「ン?気のせいだったかな」
と思いつつ
廊下からの灯りで様子を伺ってみると
布団からずり落ちているみたい
掛け布団もはだけている。
・・・・・何かおかしい

そばによって見て仰天しました。

目は開いているのです
目が開いているのに意識がない!!ゾーーーーッ
一瞬死んでるのかと思いました。
「うそでしょーーー!」
名前を呼んで、揺さぶっても無反応

これが話に聞く低血糖昏睡!?

怖くて、歯がガチガチいいました。

その当時は息子が家にいましたが
若い子の睡眠って深いんですね。
すぐそばの部屋で母が叫んでいるというのに
「お父さんが大変!救急車呼んで!」と
たたき起こしに行くまで気づかないんですから。

息子が119に電話している間に
私は常備しているファンタグレープを
食いしばっている歯の隙間から流し込みます。
歯並びが悪くてよかった

もちろん大半がこぼれますが
少しは入るらしく、時おりのどがごくりと動きます。

どうぞ死なないで!
日ごろの憎らしさなど忘れて思っていました。
そんな時でも布団が汚れないよう
バスタオルをしっかり巻きつけている妙に冷静な自分がいました。

そして
ピーポーピーポー
遠くに救急車の音が聞こえて来た頃
うつろに開いているだけだった夫の目が少し動きました。
「あっ、目が動いた!」
でも、目はうつろなままです。
呼びかけにも答えません。

そうこうしているうちに
救急車が到着
「Ⅰ型糖尿病の低血糖昏睡です、ジュースを飲ませました」
などと救急隊員に説明していると
夫が体をもぞもぞ動かしだしました。
ジュースの糖分が少し回ってきたのでしょうか
とても苦しそうです。

担架で救急車に運び込んだり
受け入れ病院との連絡などにかなり時間を取られました

救急車の中でも、意識はまだ戻りません。

幸い、うちから歩いて2分ほどのところにある病院が
受け入れてくれることになりました。
何しろ歩いて2分ですから
サイレンを鳴らす暇もないほどで
すぐに救急病棟に運び込まれました。

そして、救急病棟のベッドに横たえられて
「poco夫さん」
と医師に呼びかけられた時には
「ハイ」
とかなりはっきりした返事が返ってきました。
そして「何があったの?」と驚いています。
血糖値は59

ああやれやれ、生還したと
ホッとして、足から力が抜けていきました。

ブドウ糖と、生理用食塩水の点滴を受け
とりあえず一晩(といってもあと数時間)様子を見ましょうということで
緊急用ベッドに落ち着きました。

「僕はもう大丈夫だから帰っていいよ」
と、夫は言いますし
私がそばにいたら寝にくいかなと思い
とりあえず帰りましたが
初めての経験で、こちらも興奮状態ですからとても寝られる状態ではありません。
テレビをぼんやり見ながら朝を待ちました

夜が明けるのを待って
着替えや靴を持って様子を見に行きました。

本人もショックだったのでしょう
あれから全然寝られなかったとのこと。
もっとも、看護師さんが
たびたび血糖測定や様子を見に来るので
おちおち寝てもいられなかったでしょうが

朝8時の診察で特に問題なしなので帰っていいとのこと
「車で迎えにこようか?」と言ったら
「走ってでも帰れる」ですって

それからうちで朝ごはんを食べて
何事もなかったかのように出社しました。

数時間前まで意識不明だったのに・・・・

それまでは、話に聞くだけで他人事のように思っていた低血糖の怖さを
はじめて痛感した夜でした。

そして、これが引き金のように
夫は、それ以後たびたびの重症低血糖に見舞われることになったのです。








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はじめまして!

おはようございます!
コクボさんのH.P.のコメントでここを知りました。ブログ(http://largo.jugem.cc/)の方に、リンクさせて頂いてよろしいでしょうか?

「私にもこんな妻が欲しい・・・」と思った発症2ヶ月の一昨日、61歳になったばかりの主婦です。還暦の年の最後の青天の霹靂でした!(笑)
私が低血糖起こしても、主人はうたた寝中なんてことがしばしば・・・
指が血糖値測定の為に針の穴だらけになっていてもお炊事やお洗濯、お掃除と水仕事はせねばならず、キーボード打つのも痛いのに・・・
「ああーー、IDDMは女性がなるものではないよ!」と、切に思っていました。(笑)

ここを読んで、ゾーーっと!
本で読んでもピンと来ないけど、実際に体験されてのお話は身に迫るものがあります、ここを主人や息子夫婦に読んでもらおう・・・と思いました。

これからもご主人様を支えてあげて下さいね。

コメントありがとうございます

もりママさん、はじめまして!
初めていただいたコメントですv-237
ブログ初心者なので、お返事はここでしていいのかなあとオロオロしています。
リンク、それ何?といった状態なのでリンクでもランクでもトラックでもバスでも何でもやって下さい。

夫と同い年ですね。
ブログを探しても、中年以降発症の人は少ないので、しっかりタッグを組みましょうv-434
そちらにも伺わせていただきますね。

はじめまして!
60才台突破した主人(劇1型)(歴3年半)を持つ妻です。本人が自覚する前に私も低血糖を当てちゃいます。自営業ですので本当に24時間付き添い?状態です。(泣)今まで2回ほど低血糖で危うく大事故になりそうな事経験してますヨ。
これからも宜しくお願いします。

こちらこそ、どうぞよろしく!

カズの妻さん、はじめまして!
お互い大変ですね。
低血糖事件聞きたいです(笑)
同年代のようですし
IDDMの妻同士
一緒にぼやきたいです。

はじめまして

はじめまして。
劇症1型歴1年半ほどの-kero-と申します。
(一応中年の部類の♂です)

5年を過ぎたころから無自覚低血糖。。。
今のところ低血糖昏睡の経験の無い私としては、「数年後には自覚が無くなって来るのかぁ」と考えさせられました。
とても参考になります。 m(_ _)m

またお邪魔させていただきます。
それでは。

ようこそ!

-kero-さん はじめまして

当時に比べて今は、使っているインシュリンも違いますし
5年でも10年でも大丈夫かもしれませんよ(^^)v

ただ、低血糖症状は年数がたつにつれ変わってくるという情報もあります
http://www.dm-net.co.jp/ichigata/2007/04/21.html
気をつけられるに越したことはないかも

そちらにも伺わせていただきますね
よろしくお願いします

初めまして

一型20年目の30代後半の主婦です。カルピスと申します。実は私も、5月に無自覚低血糖昏睡を起こし、食事中に、意識を失い。娘に発見され主人に救急車を呼ばれました。もちろん目はあいたまま。口から泡が。体は硬直していたそうです。実は、私はその間の記憶は全くありません。気が付くと、病院でしたから。その後全身がひどく筋肉痛で二~三日は痛かったです。私の場合は、夕飯の血糖値が高めで、それを下げるためのインスリンの量が多すぎたのが原因でした。今はきちんと計り、主治医と高血糖の下げ方を相談することにしています。

旦那さんは、幸運だったと思いますよ。うちの主人は最初、てんかんかと思ったと、しばらく言い続けていましたから。

奥様も、大変かとは思いますが、お互い頑張りましょう!と言ってもうちは、患者は私本人ですが(笑)

無自覚は時と場合により、本当に怖いですよね。

でわでわ

♪カルピスさんへ

カルピスさん、はじめまして!
コメントありがとうございます。夏にふさわしい爽やかなお名前ですね

歴20年ですか、ベテランですね
その間一度も昏睡がなかったっで言うのがすごい!

初めての昏睡、もちろんご本人はショックでしょうが
ご家族の受けられた衝撃も大きいものだと思います
私も、それからしばらくはその時の情景が目に浮かんで
なかなか寝付けない夜が続きました

夫も、昏睡の後、体中が痛いということがよくありました
顔が真っ赤になるほどの硬直ですものね

ヤレヤレ、昏睡ネタになると話が尽きませんよ

歴20年のベテランに言うことではないのですが
重度の低血糖を起こした後しばらくは、意識的に血糖値を上げ目にして
感知力のリセットをした方がいいそうなので
どうぞお気をつけてお過ごし下さいね

コメ返嬉しいです

この夏は、暑いので大変ですよね。
私は、余程我慢強かったのか、血糖値が高い時の方が多かったのか。で、多分昏睡にいたらなかったのだと思います。ですが、おかげで、たった一度なのに、今度はやけに、低血糖に敏感な体質に。。

ホントに20年経とうが、ベテランぢゃないんです。
むしろ、不安な気持ちで生活していたので、偶数こちらにたどり着いた時は少しほっとしました。アリガトウございました★

♪カルピスさんへ

ワオ!早速のお返しありがとうございます

低血糖とかIDDM回想などのカテゴリーに
数々の低血糖武勇伝がありますので
読んでいただいたら、安心(?)材料になるかと(笑)

20年前というとやはりカロリー至上主義で指導されたのでしょうか
超速効、超長効のインスリンの出現やカーボカウントの定着で
IDDM人生も随分変わった感がありますが
程度こそ違え、低血糖高血糖に悩まされるのはこの病気の宿命かも

情報を共有し
ともに楽しく過ごせるようがんばりましょう

もしブログアドレスお持ちなら、教えていただけるとうれしいのですが

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                夫は20年前に1型糖尿病発症。いろいろあったけどやっと落ち着いて過ごしだしたところに、思いもせぬ血管肉腫というガン宣告。
極めてまれなものということで一時は絶望的な思いに駆られましたが、週1回の抗がん剤点滴でがん細胞と折り合っているらしく、無事に4年目にはいりました。
ちっとも甘くない生活だけど、初孫(♀1歳)とひょんなご縁でうちの子になったチワワのりく(♂9才)に癒される毎日です

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ある日突然、何らかの原因で膵臓のβ細胞が破壊される自己免疫疾患。        発症原因も治療法も一般的な糖尿病とは異なります。 体内でインスリンを作れないので、毎日数回のインスリン自己注射をして血糖の上昇を防ぎます。           適切なインスリン注射により、仕事運動、旅行など健常の人となんら変わることのない生活を送ることもできるし、食事の制限もありません。     しかし、低血糖や高血糖に陥ることも多く、完治することはないので、このインシュリン注射は一日も休むことなく一生続けないといけないのです。

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