《回想》夢の崩壊

ランタス・打ち忘れの翌朝


その時私は、休日の朝食をのんびり取っていました。

先に食事を済ませて、テレビを見ていた夫が黙って部屋を出て行きます。

トイレかな?
つけたままのテレビに目をやりながら、ボンヤリ思っていました。

すると
今出て行った夫が、すぐ戻ってきました。

「どしたん?何してるん?」
「いや、戸締り大丈夫かなと思って・・・」
・・・・・・・・
「ん???なんでー?」
「危ないから・・」
「何が???」
「何がって・・・危ないんだよ!

かつて低血糖の時に
「早く逃げた方がいい!」としきりに言った事があるのです。
正気に戻ってから聞くと
何か分からないけれど、危険が迫っている感じがしたのだそうです。
低血糖妄想と言うものなのでしょうか。

それだな!
と思いました。

「poco夫さん、低血糖よ。グルコレスキュー飲んで」
「なんで!」
「低血糖よ、血糖値上げないと」
「いやだ!飲まない!」

エーーーッ!

「じゃあ、ファンタグレープにしよう!」

「何でそんなもの飲まなきゃいけないんだ!」

先ほどまでの穏やかな表情は一変して
険しい顔です!

「テーケットーなのよ!ジュース飲んで」

夫は缶ジュースを飲ませようとする私の手を押さえつけ
力いっぱいのしかかってきます。

恐怖感をおぼえました。

「分かった、分かった、飲まなくていいから・・」
とりあえずここは落ち着かせなければ・・・・

プイと足音高く離れていった、夫はソファにドスンと座りました。

たまたまその時、実家の愛犬を連れてきていたのですが
何も分からないマルチーズのハナちゃんも様子に驚いたのか
夫のそばから離れようと前を横切りました。

「ハナ!こっちおいで!」と言う間もなく
夫は体重2キロの小さなハナを
ポンッと払いのけました。

「ハナに何するのーーッ!!」

大好きなお父さんに吹っ飛ばされて
驚いて逃げて行ったハナを探すと
洗面所のマットの上で小さく丸くなって震えています。


ハナが、かわいそうでかわいそうで
そして
一週間で崩れ去ってしまった私の夢が
悲しくて悲しくて・・・・


ハナを抱きしめて
おいおい泣きました。

インスリン変えても、やっぱりだめなのか・・・

期待とそれに続く喜びが大きかっただけに
わずか7日で訪れたこの時のショック、失望感は
忘れることができません


夫はというと
少し落ち着いたからか
「分かったよ、飲めばいいんだろ、飲めば!」
と、まだ語気荒いもののジュースを飲み干しました。

そして、しばらくしたら
まだシクシク泣いている私に向かって



「ごめん、僕何かした?」

・・・・・・・・・

低血糖のなせるわざとはいえ
しばらくは素直に口をきく気にはなれませんでした。


インスリンを変えたからといって
低血糖がなくなると思っていたわけではありません。
でも
効果のが小さくなるなら
悩みの種であった無自覚低血糖を少しは減らせるだろうと
希望を抱いていたのです。
そして7日間のあまりに順調さに
それは過度な期待になっていたようです。

後になって考えると
短時間に急激な血糖値の変化をおこしたために
あんなにひどい低血糖妄想になったのではないかと思います。

ショックな出来事ではありましたが
ただそれから後、ほぼ一年は
ひどい低血糖を起こすこともなく
無事に過ぎて行きましたので
インスリンの変更は成功と言えるでしょう。

スポンサーサイト

コメントの投稿


非公開コメント

私も泣くなぁ

読んでいて胸が詰まりました。
pocoさんの思いが痛いほど分かります。
夢のような穏やかな日々の後では、これは辛すぎます。期待が大きくなる分ショックだったことでしょう!
よくぞ逃げ出さずに来られたと尊敬!

いつもお優しいご主人様の変貌ぶりにも驚きました。
いつの日か私も~と、ちょっと悲しくショック!
私は普段が穏やかでないから、低血糖妄想を起こしても家人に気付いて貰えないなぁーと心配です(笑)
いつもプリプリしてるとダメだ、少し穏やかにならないといけないかも~と反省(笑)

そんな私だから、今、目が覚め??だったから低血糖かもと用心の為に測定したら214!(笑)
高くても目が覚めるんだ~と、眠前に打ったレベミルが働くことを祈って寝るとこですよ(笑)

眠くなるまでベットで携帯にて書き込み中、失礼しました(笑)

私自身が泣けました。

私もおんなじこと、しています。
家族や、自分自身を傷つけているのかと思うと、不安でなりません。

pocoさんのブログは、私自身を映してくれる鏡デス。

そうか~

いろんなことが、起こるんですよね。一つ一つ、経験を重ねて・・・
先日初めて、深夜の低血糖起こしました・・・次の日、かる~く凹んでたんですが、飽き性の私は、凹むと言う行動にも飽きて、・・・夜には、楽しくブログかいてる始末ですv-411
自分でも、ええ性格してるな~って・・・

>もりママさん

深夜に、早速の書き込みありがとうございますv-436

今やさしいのは、こういう時の罪滅ぼしかと・・・・v-411

病気が、私達をより結びつけてくれた部分もあるかな・・・と思えるこのごろです。

>myさん

大丈夫、何があっても家族ですから・・・

もりママさんへのお返事の最後を見て下さいね。

病気も共に、3人4脚で老いていく覚悟です。
あっmyさんに「老いる」は早や過ぎるねv-411

>そらさん

低でも高でも
自分で感知できてたらいいんですから、凹むことないと思います。

>飽き性の私は、凹むと言う行動にも飽きて、・・・夜には、楽しくブログかいてる始末です
これいいv-218

楽天的というのは素晴らしい気質だと
同じく楽天的なpocoは思っています。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

ふうぅ

定期購読者なのに乗り遅れた。。
記憶無く暴力的になっちゃったりするんですねぇ。。
俺も家族に迷惑かけないように気をつけようっと。
でも最後の記載、この後はひどい低血糖も無くってのが救われます。
ハッピーエンドを希望ぅ。

>-kero- さん

定期購読、ありがとうございます(笑)
引き続きのご購読、よろしくお願いいたします v-436
低血糖がらみ、まだまだありますので・・・(泣笑)

トラックバック

http://amaiseikatsu.blog43.fc2.com/tb.php/60-69b73942

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

poco

Author:poco
                夫は20年前に1型糖尿病発症。いろいろあったけどやっと落ち着いて過ごしだしたところに、思いもせぬ血管肉腫というガン宣告。
極めてまれなものということで一時は絶望的な思いに駆られましたが、週1回の抗がん剤点滴でがん細胞と折り合っているらしく、無事に4年目にはいりました。
ちっとも甘くない生活だけど、初孫(♀1歳)とひょんなご縁でうちの子になったチワワのりく(♂9才)に癒される毎日です

最近の記事+コメント

全記事一覧

カテゴリー

1型糖尿病とは

    

ある日突然、何らかの原因で膵臓のβ細胞が破壊される自己免疫疾患。        発症原因も治療法も一般的な糖尿病とは異なります。 体内でインスリンを作れないので、毎日数回のインスリン自己注射をして血糖の上昇を防ぎます。           適切なインスリン注射により、仕事運動、旅行など健常の人となんら変わることのない生活を送ることもできるし、食事の制限もありません。     しかし、低血糖や高血糖に陥ることも多く、完治することはないので、このインシュリン注射は一日も休むことなく一生続けないといけないのです。

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード

QRコード

QRコード

FC2